2007 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度電気刺激による成体神経新生の誘導と再生医療への応用
Project/Area Number |
18791031
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
戸田 弘紀 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所・第4研究部, 研究員 (80414118)
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Keywords | 神経新生 / 海馬 / 脳深部刺激療法 |
Research Abstract |
本研究では神経活動と神経新生の関係に着目し、高頻度電気刺激による領域特異的な神経活動の制御が神経新生に与える影響の検討、神経新生亢進に至適な刺激条件の解析、さらに臨床応用の可能性の検討を達成目標としている。 一昨年度は成体ラットを用いて海馬と連絡のある部位の選択的高頻度刺激を行い、視床前核刺激が海馬神経新生を促進することを確認した。定位脳手術で視床前核に留置したバイポーラ電極に130 Hz, 60 usec, 1-3 mAという臨床で用いている同様の条件で短時間電気刺激行った。神経前駆細胞をBromodeoxyuridine(BrdU)でラベリングした。1時間の視床前核高頻度刺激後3日目から5日目に海馬歯状回のBrdU陽性細胞数は約2.5倍に増加した。BrdU陽性細胞はBrdU投与翌日に検討した群では80%以上がdoublecortin陽性であり、BrdU投与後30日目群では約50%がNeuN陽性であった。以上から視床前核の短時間高頻度刺激は成体海馬での神経新生を促すとの結論を導いた。 昨年度はさらに高頻度電気刺激時による海馬神経新生の亢進について、この現象に関与するメカニズムの解明と病理モデルへの応用を検討した。まず視床前核に刺激電極をおき、海馬に記録電極をおいた。一過性の視床前核刺激を行い刺激前後で海馬ニューロン活動電位の細胞外記録をおこなった。その結果、刺激後に海馬の発火ニューロン頻度は抑制されることを確認した。またimmediate early gene productであるzif268の発現を刺激群、非刺激群で比較すると刺激群では海馬歯状回におけるzif268の発現は優位に亢進していた。さらにコルチコステロン投与による海馬神経新生抑制モデルに視床前核刺激を行うと、正常の約30%程度に抑制された神経新生は刺激後正常の約80%まで回復していた。 今年度は高頻度電気刺激時による海馬神経新生の亢進について、行動実験の検討を行い、臨床応用の可能性を検討する。さらに脳室下帯においても高頻度電気刺激が神経新生に影響を与えるか引き続き検討を行う。
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