2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791037
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前野 耕一郎 Kobe University, 医学部・附属病院, 医員 (70403269)
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Keywords | 椎間板変性 / 椎間板変性モデル / イリザロフ型創外固定器 / Fas / FasL / MMP-3 |
Research Abstract |
ラット尾椎の変性椎間板髄核細胞における遺伝子動向の調査。 昨年度に確立した、SDラットの尾椎にイリザロフ型創外固定器を装着させた椎間板変性モデルの椎間板髄核細胞を採取して各種遺伝子の動向を調査した。研究計画では本年度にFasおよびFasLの会合分子の調査と細胞アポトーシスに起因するカスパーゼの活性の調査を行う予定であったが、Fas、FasLともに正常髄核と変性髄核細胞の間で有意な発現量の差を認めなかったために計画を断念した。ラット尾椎では採取できる髄核細胞量が少ないことに加え、Fas、FasL遺伝子の絶対発現量そのものが少ないことが原因ではないかと考えられた。一方で変性椎間板には炎症細胞の浸潤を伴った血管侵入がみられることが報告されていることから血管新生のマーカーとしてVascular Endothelial Growth Factor (VEGF) およびVEGF-receptor (VEGFR) の発現量をPCR法で調査した。昨年度の報告において変性髄核細胞ではVEGFおよびVEGFR-1の発現増幅がみられたとしているが、繰り返し実験では再現性が得られなかった。上記のような結果を踏まえて、椎間板変性モデルそのものの妥当性を再評価する目的と椎間板変性に関与する新たな遺伝子を調査する目的でGrowth factor、炎症性マーカーなどの数種類の遺伝子についてPCR法による評価を行った。結果、炎症性マーカーの一つであるMMP-3の発現量が明らかに増幅し、また再現性を認めた。時間経過によるMMP-3の発現量の推移では約1週間で発現量が増大し、その後約2週間でピークを迎える結果となった。変性椎間板においてMMP-3の発現量が増大することは既に報告されているが、時間経過による発現量の推移を調査した報告はみられない。今後MMP-3周辺遺伝子の動向を評価した上で結果を報告する予定である。
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