2006 Fiscal Year Annual Research Report
関節軟骨へのsiRNA導入法の確立-変形性関節症の新しい保存療法の開発へ向けて-
Project/Area Number |
18791049
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学部, 助教(寄附講座) (50347449)
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Keywords | sonoporation / small interfering RNA / 変形性関節症 / 関節軟骨 / 滑膜 |
Research Abstract |
関節内へのsmall interfering RNA (siRNA)導入法の一つとして、低侵襲な遺伝子導入法であるsonoporation法を用いたプラスミドDNAおよびsiRNAの関節内組織への導入について検討した。ラット膝関節にpGEG.GL3プラスミドと超音波造影剤を投与し、経皮的に超音波を照射した。滑膜組織におけるGL3の発現をRT-PCR、ルシフェラーゼアッセイで評価した。同様の方法で、GL3プラスミドとGL3に対するsiRNA(siGL3)を共導入し、siRNAの抑制効果を検討した。EGFPトランスジェニックラットの膝関節にGFP特異的siRNAを導入し、組織学的に抑制効果を検討した。 超音波と造影剤の併用により、滑膜組織におけるGL3の発現は有意に増強した。一方、超音波のみ、造影剤のみの使用では導入効率は改善しなかった。siGL3を共導入した群では、有意にGL3の発現が抑制された。蛍光標識したsiRNAをsonoporation法により導入すると、主に関節滑膜にsiRNAの蛍光を認めた。一方、関節軟骨への導入は明らかでなかった。EGFPトランスジェニックラットの滑膜組織表層の細胞では、GFPの蛍光が減弱していた。siRNAがsonoporation法により滑膜に導入され、遺伝子特異的に発現を抑制していることを確認した。sonoporationによる関節内組織障害は認められなかった。 本年度の研究では、sonoporation法を用いた低侵襲かつ有効な滑膜組織へのsiRNA導入法を確立した。今後は関節軟骨へのsiRNA導入および変形性関節症動物モデルへの応用に取り組む予定である。
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