2006 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板再生医療における基礎的研究:椎間板細胞解析と幹細胞からの分化誘導実験
Project/Area Number |
18791060
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
酒井 大輔 東海大学, 医学部, 助手 (10408007)
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Keywords | 椎間板 / 髄核細胞 / 間葉系幹細胞 / 再生医学 |
Research Abstract |
我々は、自家骨髄間葉系幹細胞移植療法が変性椎間板の再生に有効である事を報告した。しかしin Vitroでの分化誘導の試みにおいては誘導法が確立されていない。本研究の目的は間葉系幹細胞から髄核および線維輪細胞をin vitroで誘導することである。 方法:誘導方法はヒト髄核細胞と線維輪細胞をヒト間葉系幹細胞とアルジネートビーズ内で3次元cocultureを行った。インフォームドコンセントのもと外見上損傷のない新鮮髄核、線維輪を酵素処理し、髄核細胞(NP)、内層線維輪細胞(IAF)、外層線維輪細胞(OAF)を得た。ヒト間葉系幹細胞(hMSCs)は25歳男性のものをCambrex社より購入、NP、IAF、OAFをhMSCs-GFPと共に1.2%アルジネートビーズ内で3週間cocultureした。培地はDMEM+10%FBSを用いた。3週間後、アルジネートビーズより全ての細胞を回収しセルソーターを用いて、GFP陽性hMSCsのみを回収した。これらNP、IAF、OAFと各々cocultureした後のhMSCsのcharacterをFACSと免疫染色、RT-PCRにて解析した。 結果:結果でhMSCsはcocultureした相手の細胞のcharacterに非常に類似した。またcoculture前では発現の少なかったtype2コラーゲン、ケラタン硫酸型プロテオグリカン、コンドロイチン硫酸、インテグリンα1サブユニットなどで発現が有意に多くなり、逆にhMSCsでより多く発現したtype1コラーゲンなどでは発現が低下した。免疫染色、RT-PCRの結果においても同様の現象が確認された。 考察:今回の実験結果よりアルジネートビーズ内でのcoculture法にてヒト間葉系幹細胞をヒト椎間板髄核および線維輪細胞のlineageへ誘導できることが確認された。更なる解析を進めることでより完全な導出を確認し、目的細胞へ誘導を行ったhMSCを細胞移植へ導入するなど、椎間板再生への応用化が期待された。
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