2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病ラット脊髄後角細胞の可塑性変化の電気生理学的解析
Project/Area Number |
18791072
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
若井 綾子 Niigata University, 新潟大学医歯学総合病院, 助教 (70419331)
|
Keywords | diabetic neuropathy / Whole cell patch clamp / GABA |
Research Abstract |
糖尿病性神経障害による疼痛に苦しむ患者は多いが、その発生機序は解明されていない。近年糖尿病モデルラットが作成されたためそれを用いて、痛み伝達の修飾の場として重要である脊髄後角レベルにおける神経伝達の変化を調べた。 1、糖尿病性ラットの作成1 成熟雄性ラットの腹腔内にストレプトゾトシン(50mg/kg)を投与し、Hot-plate test, von Frey testを行い3週間後までに痛覚過敏になっていることを確認した。 2、脊髄後角細胞の電気生理学的解析 ラットをウレタン麻酔下に脊髄腰膨大部から後根つきスライス標本を作成し、後角第II層細胞からホールセルパッチクランプ記録を行った。膜電位を-70mVに固定したときに見られる自発性興奮性シナプス後電流(spontaneous EPSC)、0mVに固定したときに見られる自発性抑制性シナプス後電流(spontaneous IPSC)、またテトロドトキシン投与下で見られるminiature EPSC, miniature IPSCを記録した。糖尿病ラットと生食を腹腔内投与したコントロール間でこれらの記録の振幅や頻度、静止膜電位の違いの有無を解析した。糖尿病ラットにおいてEPSCは増加、IPSCは減少する傾向を認めた。また、膜電位を-70mV固定下に後根を吸引電極にて刺激したときに誘発され、介在ニューロンを介さないmonosynaptic evoked EPSCを記録した。これを解析することによって一次神経終末での変化を検討中である。
|