2006 Fiscal Year Annual Research Report
集中治療患者の持続血糖モニタリングと人工膵臓による血糖管理
Project/Area Number |
18791079
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江木 盛時 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20423296)
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Keywords | 集中治療 / 急性期 / 重症患者 / 血糖 / インスリン / 持続血糖測定 / 人工膵臓 |
Research Abstract |
18年度の研究目標は、集中治療患者に対する人工膵臓による持続血糖測定の信頼度を確認することであった。現在、人工膵臓を用いて2つの研究を続行中である。 1;心臓手術における術中・術後における血糖値変化とその臨床的意義の検討 本研究の目的は,「心臓術中・術後の高血糖の発生原因」及び「術中・術後血糖値管理とケミカルメディエーターと患者予後との関連性」を検討することである。人工膵臓により持続血糖測定を術中術後に施行し、その血糖値の変化と術後炎症マーカー、臨床的Outcomeと比較する。計30名を目標に患者登録をすすめており、現在18名の患者様に文書による同意を得たのち観察研究を施行した。 2;高血糖を合併する食道癌患者での周術期血糖管理に対する糖質調節流動食と一般流動食の比較研究 本研究の目的は、糖尿病患者の血糖管理を容易にするために開発されたパラチノースを主炭水化物とする糖質調整流動食が、一般的経腸栄養剤と比較して、高度侵襲手術である食道癌手術後患者において、血糖を低く保ちインスリン必要量を低下させるか否かを検討することである。研究方法は,無作為割付一2群間オープンラベル・クロスオーバー比較・検証的臨床試験である。人工膵臓により血糖値を連続モニタリングしながら、糖質調整流動食と一般的経腸栄養剤を24時間おきに投与し、それぞれの経腸栄養剤による血糖値の変動を観察する。16名の患者を目標に患者登録をすすめており、現在2名の患者様に文書による同意を得たのち研究を施行した。 以上の研究を含め、現在47名の患者で、人工膵臓による血糖測定の信頼性を評価した。STG-22による持続血糖モニタリングの信頼度は、採血が良好である限り、血液ガス分析およびベッドサイド型血糖測定器での血糖測定に匹敵している事が確認された。19年度は、上記2つの臨床研究を終了させることを目標している。
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