2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性中枢神経障害の病態解明と好中球エラスターゼ阻害薬の効果に関する検討
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18791080
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
平田 孝夫 Yamaguchi University, 医学部・附属病院, 助教 (40420533)
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Keywords | 中枢神経 / 虚血 / 海馬CAl / シベレスッタトNa / PAR-2受容体 / カスパーゼ / アポトーシス / 好中球エラスターゼ |
Research Abstract |
H18年度の検討で,1)ラットを用いた一過性前脳虚血後に,血中の好中球エラスターゼ(neutrophil elastase,NE)活性が上昇する.2)再潅流7日後にみられる神経細胞傷害は,NE阻害薬投与群で有意に抑えられることが明らかとなった.本年度は,NEがどのように虚血性神経細胞死に関与しているか検討した. 検討項目 1)免疫組織化学染色法によるNE発現の局在:一過性脳虚血後の再潅流4時間で,コントロール群(非治療群)で,NEは海馬内側に位置する血管の内皮細胞とその周囲組織に出現し,再潅流8時間では海馬神経細胞層の周辺(細胞外マトリックス)への浸潤がみられた一方,NE阻害薬投与群ではNEは血管内皮細胞にとどまり,細胞外マトリックスではみられなかった. 2)アポトーシス誘導因子(カスパーゼー3/7)活性の経時的変化:コントロール群では海馬CA1領域におけるカスパーゼー3/7の活性は再潅流4,8時間,1日でそれぞれ132±8%,139±11%, 149±20%と上昇した.NE阻害薬により再潅流8時間で72.8±2%と有意に抑制された. 結論 NEはラット前脳虚血における海馬CA1の虚血性神経細胞死に関与し,NE阻害薬はカスパーゼー3/7を抑制して,傷害を軽減させることが明らかになった
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Research Products
(1 results)