2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスチジン・ヒスタミンによる抗炎症作用と脊髄保護効果に関する研究
Project/Area Number |
18791081
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山下 敦生 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (50379971)
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Keywords | 脊髄 / 虚血 / 予防医学 / 脳・神経 / 麻酔学 |
Research Abstract |
ヒスチジンやヒスチジンから脳内で変換されたヒスタミンは、抗炎症作用を有するといわれており、これにより神経障害が軽減することを想定し、家兎による一過性脊髄虚血モデルを用いて、ヒスチジンの脊髄保護効果を検討した。 方法:家兎を(1)虚血前投与群(ヒスチジン:1000mg/kg)、(2)虚血前+虚血後投与群(それぞれヒスチジン:1000mg/kg)、(3)対照群(生理食塩水投与)に分けた。気管挿管、人工呼吸下に後腹膜経路で腹部大動脈を露出し、腎動脈下で13分間遮断した。虚血の有効性は、末梢血圧とSSCEPのN3の消失時間で評価した。再灌流7日目まで後肢運動機能を観察し、その後灌流固定を行い、腰髄を病理組織学的に検討した。 結果:再灌流7日目に後肢運動機能が正常であった個体は、(1)0/4羽、(2)1/4羽、(3)1/3羽と差を認めず、組織像も運動機能障害の程度に合わせて、前角細胞の変性や炎症細胞浸潤がみられ、現時点ではヒスチジンによる保護効果は認められない。 ただし、ヒスチジンは酸性溶液にしか溶けないため、ヒスチジン溶液はpH6以下とする必要がある。このためか、ヒスチジン投与群は血液のBEが-10mEq/L前後と著明なアシドーシスを呈しており、これは神経障害増悪因子と考えられる。アシドーシスを軽減させる方法として、ヒスチジンを腹腔内投与することで、血液中BEを-5mEq/L前後に抑えられることが判明した。現在この投与法により、ヒスチジンの脊髄保護効果を再検討中である。
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