2006 Fiscal Year Annual Research Report
心筋の薬理学的プレコンディショニングの分子機序-PI3K-Akt活性を介して-
Project/Area Number |
18791086
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉富 修 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30380926)
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Keywords | 心筋虚血再灌流障害 / 心筋スタニング / 再灌流性不整脈 / ホスホジエステラーゼIII阻害薬 / cAMP / Rho-kinase阻害薬 |
Research Abstract |
1.麻酔したブタを用いて、開胸して心臓を露出し、頚動脈-左冠動脈前下行枝バイパスを作製した。このバイパス回路を遮断・解除することによって左冠動脈前下行枝灌流領域を虚血再灌流させてブタの心筋虚血再灌流モデルを作成した。このモデルを用いてホスホジエステラーゼIII阻害薬であるミルリノンの心筋スタニングからの回復に与える影響と再灌流性不整脈に対する効果を検討した。臨床使用量のミルリノンの虚血前及び再灌流直後の静脈内投与により心筋スタニングからの回復が有意に改善され、再灌流性不整脈も抑制し、ミルリノンの虚血再灌流障害に対する心筋保護作用が明らかとなった。この成果はCardiovasc Drugs Ther 2006;20:327-34に掲載された。 2.同モデルを用いて、β受容体を介さずにcAMPの合成酵素であるアデニル酸シクラーゼを直接活性化するcAMP増強薬である塩酸コルホルシンダロパートの心筋スタニングからの回復に与える影響と再灌流性不整脈に対する効果を検討した。臨床使用量の塩酸コルホルシンダロパートの虚血前静脈内投与により心筋スタニングからの回復が有意に改善され、再灌流性不整脈も抑制し、塩酸コルホルシンダロパートの虚血再灌流障害に対する心筋保護作用が明らかとなった。この成果を米国麻酔学会(2006年10月Chicago)で発表し、Anesthesiology 2006;105:A1076に掲載された。 3.同モデルを用いて、Rho-kinase阻害薬ファスジルの心筋スタニングからの向復に与える影響と再灌流性不整脈に対する効果を検討した。臨床使用量のファスジルの虚血前及び再灌流直後の静脈内投与により心筋スタニングからの回復が有意に改善され、再灌流性不整脈も抑制し、ファスジルの虚血再灌流障害に対する心筋保護作用が明らかとなった。この成果を米国麻酔学会(2006年10月Chicago)で発表し、Anesthesiology 2006;105:A1091に掲載された。
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