2008 Fiscal Year Annual Research Report
心筋の薬理学的プレコンディショニングの分子機序-PI3K-Akt活性を介して-
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18791086
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉富 修 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30380926)
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Keywords | 心筋虚血再灌流障害 / Rho-kinase阻害薬 / 心筋スタニング / ホスホジエステラーゼIII阻害薬 / ミトコンドリアATP感受性Kチャネル / プレコンディショニング / 発作性心房細動 / 塩酸ランジオロール |
Research Abstract |
1. 麻酔したブタを用いて、開胸して心臓を露出し、頚動脈一左冠動脈前下行枝ベイパスを作製した。このバイパス回路を遮断・解除することによって左冠動脈前下行枝灌流領域を虚血再灌流させてブタの心筋虚血再灌流モデルを作成した。このモデルを用いてRho-kinase阻害薬塩酸ファスジルが虚血再灌流障害である心筋スタニングからの回復に与える影響について検討した。ファスジルの虚血前および再灌流直後投与は心筋スタニングからの回復を有意に改善し、ファスジルの虚血再灌流障害に対する心筋保護作用が明らかとなった。しかし虚血再灌流30分後からの投与では改善しないことが明らかとなった。この成果はCardiovascular Drugs and Therapy 2008 ; 22(4) : 293-8に掲載された。 2. ラット心筋梗塞モデルを用いて、PDEIII阻害薬であるオルプリノンのプレコンディショニング効果とミトコンドリアATP感受性Kチャネルとの関連について検討した。オルプリノンの心筋保護効果はミトコンドリアATP感受性Kチャネル選択的阻害薬5Hbによって阻害されないことが明らかとなった。この成果は日本麻酔科学会第55回学術集会(2008年6月横浜)で発表し、JAnesth. 2008 ; 22 : P1-08-03に掲載された。
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