2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工呼吸時の気道内圧の差が気道内のMUC(mucin)2の発現に及ぼす影響
Project/Area Number |
18791090
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
吉良 慎一郎 Oita University, 医学部, 助教 (70404374)
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Keywords | 人工呼吸 / 肺傷害 / ムチン |
Research Abstract |
人工呼吸を含む機械的伸展を肺に施すと、サイトカインを含む様々な炎症性メディエータが放出されることが以前から知られており、これらのサイトカインの中でIL-1βやTNF-αなどは、気道の粘膜上皮を覆うムチンの一種であるMUC2などの遺伝子を活性化し、粘液の産生を亢進することが判明してきた。粘液の産生自体は、外界からの異物や刺激に対し、物理的に上皮を覆って、生体を守るために必要な生体防御反応の一つと考えられるが、過剰な産生はガス交換を妨げ、血液の酸素化を悪化することにつながると思われる。また、ムチン自身が緑膿菌などの細菌のcolonizationに関与するという報告がある。本研究では、人工呼吸器で気道内圧を変化させることによる肺への機械的伸展が、気道におけるMUC2遺伝子の活性に与える影響を明らかにすることを目標としてきた。平成18年度に引き続き19年度は、pressure control ventilatorを用い、最適なventilationの環境設定の模索を行うと同時に以前のわれわれの研究で判明していた気道内圧とHSP70の発現の関係をムチンにまで発展させた。HSP70は気道内圧を上昇させると発現が増加することが判明している。また、文献的にはムチンの分泌とHSP70には関連性があるため、気道内圧の差でのMUC2の発現とHSP70の関係も十分考えられるが、まだ十分なデータは出ていない。よって、平成20年度は、ムチンの発現と気道内圧の発現のみならず、そこのHSP70がどう関与するのかも検討する必要がある。
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