2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管収縮に及ぼす局所麻酔薬の構造特異性とタンパクリン酸化酵素の発現
Project/Area Number |
18791100
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
栗山 俊之 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10405467)
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Keywords | 局所麻酔薬 / 構造特異性 / タンパクリン酸化 / 血管収縮 |
Research Abstract |
平成18年度は、局所麻酔薬による血管平滑筋収縮反応および血管平滑筋細胞内カルシウム濃度変化について調査した。 Wistar ratの胸部大動脈を摘出し内皮除去したのち、3.5mm幅の柵状標本を作製した。この標本にFura-2/AM試薬に6時間暴露させた。2波長蛍光光度計を設置した恒温槽にこの標本を3gの静止張力を加えて懸垂し、血管張力と細胞内カルシウム濃度変化の同時測定をおこなった。細胞内カルシウム濃度の指標としては波長340nm、380nm励起による500nmの蛍光強度との比を用いた。 まず、塩化カリウム30mMの用量作用曲線をもとめ、洗浄したのちロピバカイン10^<-5>Mから10^<-3>Mまでの用量作用曲線を求めた。ロピバカインは濃度依存性に血管平滑筋収縮・細胞内カルシウム濃度上昇を引き起こした。ロピバカイン10^<-4>M適用時で最大反応となり、塩化カリウム30mM適用時の86.3%の平滑筋収縮、40.4%の細胞内カルシウム濃度上昇がみられた。10^<-4>Mより高濃度においては血管収縮反応・細胞内カルシウム変化は減弱していく傾向であった。 つぎにブピバカインについてはラセミ体を用いて調査をおこなった。ラセミ体ブピバカインはロビバカインと同様に、血管平滑筋収縮・細胞内カルシウム濃度上昇を引き起こしたが、ロピバカインに比べ収縮反応・細胞内カルシウム濃度変化も小さいものであった。 最後にリドカインについても同様の検討をおこなった。リドカインは、ロピバカイン・ラセミ体ブピバカインとは異なり、血管平滑筋に対してほとんど血管平滑筋収縮・細胞内カルシウム濃度変化を引き起こさなかった。
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