2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管収縮に及ぼす局所麻酔薬の構造特異性とタンパクリン酸化酵素の発現
Project/Area Number |
18791100
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
栗山 俊之 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (10405467)
|
Keywords | 局所麻酔薬 / 構造特異性 / タンパクリン酸化 / 血管収縮 |
Research Abstract |
平成19年度は,タンパクリン酸化酵素阻害薬が,局所麻酔薬による血管平滑筋収縮反応と血管平滑筋内細胞内カルシウム濃度に及ぼす影響について調査した。 Wistar ratの胸部大動脈を摘出し内皮除去したのち,3.5mm幅の柵状標本を作製した。この標本にFura-2/AM試薬に6時間暴露させた。2波長蛍光光度計を設置した恒温槽にこの標本を3gの静止張力を加えて懸垂し,血管張力と細胞内カルシウム濃度変化の同時測定をおこなった。細胞内カルシウム濃度の指標としては波長340nm,380nm励起による500nmの蛍光強度との比を用いた。 タンパクリン酸化酵素(PKC)の阻害薬(BIS IとG06976)存在下でロピバカエンを累積的に投与し,血管張力と[Ca^<2+>]の変化を同時測定した。タンパクリン酸化酵素や(BIS IとG06976)の存在下では,ロピバカインによる血管平滑筋収縮反応が著明に抑制された。しかしながら,BIS I( G06976では検討できなかったが)非存在ではロピバカインによる[Ca^<2+>]_i上昇はあまり影響を受けなかうた。 以上の結果から,ロピバカインによる血管平滑筋収縮には,PKCをはじめとするタンパクリン酸化酵素の賦活化,および平滑筋収縮タンパクのカルシウム感受性の上昇が関与していることが示唆された。今後は,その他のタンパクリン酸化酵素の関与と,局所麻酔薬の構造特異性による変化を検討していく予定である。
|