2006 Fiscal Year Annual Research Report
体温変化が神経シグナルを介する脳微小循環制御に及ぼす影響の電気生理学的解明
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18791102
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
堂城 真友子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90347576)
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Keywords | 体温変化 / 神経シグナル / 脳微小循環 / 静脈麻酔薬 |
Research Abstract |
本研究の目的は、軽度体温変化による脳微小血管反応性の変化を観察し、その機序としてカリウムチャネル活性と一酸化窒素の関与を明らかにすることである ハロタンで麻酔したラットより脳を摘出し,ビブラトームを用いて脳スライス標本を作成する.この標本をクレブス液で満たした観察用チャンバーに入れ,顕微鏡で脳実質内動脈を観察する.動脈の画像をCCDカメラで撮影し,メディアコンバータを介してコンピュータに取り込む.動脈径の変化をコンピュータ上で血管径測定用のソフトウエアを用いて解析する.次に、微小電極作成装置であらかじめ準備した電極を、マイクロマニピュレータを使用して脳スライス標本中の動脈の血管壁に挿入し、電位を測定する。電位の変化は膜電位記録システムで記録し,保存解析する.ついで,脳スライス標本中の神経細胞に電極を挿入する。神経細胞の刺激でえられた血管拡張反応および電位の変化を記録,解析する.以上での反応が、各種薬物処置で抑制されるか否かを検討する。これら一連の検討により、神経細胞の電気刺激が、脳内微小血管に及ぼす薬理学的,電気生理学的作用を知ることができる。 上記実験の結果、脳スライス標本作成および顕微鏡下での血管径観察は、当教室ですでに確立された技術であるが、微小電極を用いた電気生理学的手法は、実用段階にはあるものの未だデータにばらつきがあり、安定した電位測定を行うには更なる実験が必要である。
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