2007 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の中枢神経作用におけるカルシニューリンの関与
Project/Area Number |
18791104
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 友紀 Jichi Medical University, 医学部, 助教 (50406047)
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Keywords | 麻酔薬 / 中枢神経作用 / カレシニューリン |
Research Abstract |
麻酔薬の中枢神経作用におけるカルシニューリンの関与を明らかにするために、簡便な薬理モデルとして、カルシニューリン阻害薬であるシクロスポリン投与モデルをマウスで作成し、行動解析を用いた評価を行った。すると、シクロスポリンをマウスに投与すると、不安行動が増加し、社会行動が減少することが判明した。さらに、前頭前野におけるセロトニンとドーパミンの放出をマイクロダイアリシス法により検討したところ、脳内においてセロトニンとドーパミンの放出量が減少することを見出した。さらに、ドーパミン放出の減少を薬理学的に阻害させると、シクロスポリンによる社会行動の減少が緩和することを見出した。また最近の取り組みとしては、近年相次いで報告されているカルシニューリン阻害薬が誘因と考えられる疼痛症候群(calcineurin-induced pain syndrome,CIPS)シクロスポリンによる疼痛症候群に着目し、少数のマウスを用いて、シクロスポリン投与により痛みに対する感受性が上昇することを示唆するパイロットデータを得ており、今後さらに研究を進めていく予定である。
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