2006 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経ブロック併用麻薬持続静脈内投与が開腹術後の日内心拍変動に与える影響の検討
Project/Area Number |
18791107
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
柴田 康之 愛知医科大学, 医学部, 助手 (70351103)
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Keywords | 末梢神経ブロック / 麻薬持続静脈内投与 / 開腹術 / 術後鎮痛 / 日内心拍変動 |
Research Abstract |
我が国において、開腹術における術後鎮痛は硬膜外麻酔が主体的役割を果たしている。近年の医学進歩により、免疫抑制剤、抗凝固剤、抗血小板薬を服用する患者の長期予後が改善した結果、これらの患者が開腹術をうけることが多くなった。これらの患者では硬膜外膿瘍、硬膜外血腫といった合併症のために硬膜外麻酔が禁忌となる。硬膜外麻酔を実施しない開腹術での術後鎮痛法は麻薬の持続静脈内投与で行われている。麻薬の持続静脈内投与では安静時疼痛はコントロール可能であるが、体動時痛はコントロールが非常に難しい。われわれは体幹における末梢神経ブロックに着目して、開腹術の術後鎮痛法として末梢神経ブロック併用麻薬持続静脈内投与の研究を開始した。 末梢神経ブロック併用麻薬持続静脈内投与は、開腹術後の安静時および体動時痛を抑えることができる。全身麻酔覚醒時には呼吸数を12回/分以下になるように麻薬の血中濃度をコントロールすれば、90%の確率で患者が痛みを感じることなく覚醒することが予測できることを証明した。また、体幹の末梢神経ブロックは手術開始前と手術終了後のどちらのタイミングで実施しても、術後鎮痛に関しては有意差がない。日内心拍変動はデータ収集と解析をまだ実施する必要がある。手術開始前にブロックをするより、手術終了後にブロックをするほうが、手術当日の睡眠障害を少なくし、術後離床開始を早める。
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Research Products
(9 results)