2007 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器科癌におけるGSK3ベータ抑制による分子標的治療の可能性の検討
Project/Area Number |
18791111
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
ビリーム ウラジミル Yamagata University, 医学部, 助教 (50334686)
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Keywords | 泌尿器科癌 / GSK3ベータ / 分子標的治療 |
Research Abstract |
1.腎癌腫瘍組織でのGSK3β, NFkB RelAの発現の検討 腫瘍組織から蛋白を抽出し,ウエスタンプロッティング法でGSK3β,NFkB RelAの発現を検討したところ,検討したすべてのサンプルで正常腎と比較して高い発現を示した.このことから,GSK3βは腎細胞癌では腫瘍の進展にプラスに作用しているものと推察された. 2.腎癌,膀胱癌細胞株におけるGSK3βと抗アポトーシス分子の関係の検討 前年度の結果から腎癌細胞株と膀胱癌細胞株ではGSK3β機能抑制小分子(AR-AO14418)が有効にアポトーシス誘導を行っていることを明らかにしたが,この際に,抗アポトーシス分子の発現に及ぼす影響について検討した.この結果腎癌培養株の検討で,Bcl-2及びXlAPの発現がAR-A014418によって著明に低下し,GSK3β阻害がこれら抗アポトーシス分子の転写活性を低下させているものと考えられた. 3.腎癌抗アポトーシス分子強制高発現細胞株での検討次に,AR-AO14418のアポトーシス誘導能が抗アポトーシス分子(Bcl-2強制高発現株)でどうなるかを検討した.この結果,いずれの高発現株でもAR-A014418によるアポトーシスはキャンセルできず,AR-A014418によるGSK3βの抑制はきわめて強いアポトーシス誘導能が存在することが明らかになった. 4.腎癌,膀胱癌細胞壁における抗癌剤とAR-A014418の相乗効果の検討 ドセタキセルと相乗効果が見られたが,シスプラチンではむしろ拮抗する結果が得られた. 以上より,AR-A014418によるGSK3βの抑制は極めて有望な治療法につながる可能性があることが明らかになった.現在,ヌードマウスを用いたin vivoの検討を施行中である.
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Research Products
(2 results)