2006 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌および腎癌に対するアポトーシス抑制因子、サバイビンの効果に関する研究
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18791113
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小池 秀和 群馬大学, 医学部, 助手 (90420091)
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Keywords | 前立腺癌 / 腎癌 / サバイビン |
Research Abstract |
前立腺癌及び腎癌におけるSurvivinの発現を調べ、Survivinの抑制による抗腫瘍効果つき検討した。臨床前立腺組織におけるSurvivinのmRNA発現を定量し、前立腺肥大症に比し、前立腺癌で有意に過剰発現していた(Pca:BPH=8.86:1)。前立腺癌ホルモン療法後では発現量が有意に少なかった。前立腺癌細胞LNCaP, PC-3において、survivin遺伝子に対するsiRNA導入による細胞増殖への影響につきMTS assayにて検討し、細胞増殖が有意に抑制された(96時間後,LNCaP:31%分減,PC-3:25%分減)。また、survivinのspliced isoformsであるSurvivin-2α,-2B,-ΔEx3の発現につき検討した。LNCaP, PC-3において、Survivin-2α,-2B,-ΔEx3の発現がみられたが、-ΔEx3の発現は少なかった。-2α,-2Bにつき臨床前立腺組織にてmRNA発現の発現を調べたが、-2α,-2Bともに前立腺癌、前立腺癌ホルモン療法後、および前立腺肥大症の間で発現量に有意差はなく、Gleason score7,8,および9の間でも有意差を認めなかった。一方、臨床腎組織におけるsurvivinとsplice variantsのmRNA発現をrealtime PCRにて定量し、survivinの発現量はM1でM0と比し有意に過剰発現しており(P<0.05)、survivin2BはT3がT1+T2に比し過剰発現していた(P<0.05)。正常腎組織では癌に比し、survivin2αが相対的に有意に多く発現していた。腎癌細胞caki1において、survivin遺伝子に対するsiRNA導入による細胞増殖への影響につきMTS assayにて検討し、細胞増殖が有意に抑制された(96時間後,36%分減)。以上より、前立腺癌および腎癌の増殖には、survivinおよびsplice variantsが関与している可能性が考えられ、survivinの抑制は今後の腎癌治療手段の一つになりうる可能性が示唆された。
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