2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791116
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
永長 一茂 Kanazawa University, 自然科学研究科, 助教 (70401891)
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Keywords | 精子形成 / 精細管内微量注入法 / アポトーシス / 動物実験 / 細胞貪食 |
Research Abstract |
精子は精巣内に存在する小管の精細管内で作られる。精子の素となる精原細胞は自己増殖すると共にその一部は減数分裂を伴う分化段階に入り、精細管内の管壁側から内腔側へと移動しながら精子細胞へと分化する。精子形成細胞と呼ばれるこれらの細胞群は、分化過程でその7割以上がアポトーシスを起こして死ぬことが知られているが、その意義はわかっていない。研究代表者所属研究室ではこれまでに、アポトーシス精子形成細胞がセルトリ細胞により貪食されること、これを阻害すると作られる精子数が減少することを示してきた。まずは昨年度に引き続き、アポトーシス細胞やその構成成分が精子形成を促進することを示すためのモデル動物の作成を試みた。精子形成回復モデルマウスの精細管内へ複数種の化合物を注入したものの、未注入のものと比べて回復の促進する精巣は観察されなかったことから、同動物では外因性分子が自発的な精子形成速度を上回ることは無いと判断した。モデル動物作成は諦め、次に精子形成促進因子の解析を行った。ラット精巣より調製したセルトリ細胞とアポトーシス精子形成細胞を共培養し、アポトーシス細胞の存在特異的にセルトリ細胞で発現量が増加するタンパク質を二次元電気泳動で同定した。その結果、タンパク質A(未発表データにつき公表せず)を同定する成果が得られた。同遺伝子ホモ欠損マウスは生まれないこと、および予想される機能から、タンパク質Aは精子形成を正に制御する可能性があることが予想される。遺伝子欠損動物を用いた解析により精子形成が損なわれるかどうかを調べることは本研究の目的を達成するために重要かつ意義深い。そこで、20年度の計画を前倒しして同遺伝子をセルトリ細胞特異的ノックアウトマウスの作成をすることにした。本年度中に同マウス作成の途中段階まで行ったので、順調に実験が行われれば来年度後半には同マウスを用いた解析が可能となるはずである。
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Research Products
(3 results)