2006 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の発症・進展に関与するメチル化によって制御される遺伝子の検索
Project/Area Number |
18791118
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山田 泰司 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (00402686)
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Keywords | DNAメチル化 |
Research Abstract |
申請計画に基づき、前立腺癌組織のみにメチル化を伴ったDNA断片を同定するため、臨床検体として得られた前立腺癌組織と良性前立腺組織を用いてMCA/RDA法を施行中であるが、現在のところ目的とされるDNA断片が未だ得られていない状況である。その原因としてはMCA/RDA法が制限酵素処理/PCR処理を頻回に必要とし、克つ条件設定が難しく複雑な方法であるためと考えられる。そのため、現在、種々の処理過程の条件設定(組織から抽出するDNA量の増量や、PCRの際のアニーリング温度やサイクル数の再設定など)の再検討を行い、施行している段階である。これらが克服されれば目的のDNA断片を抽出することが可能であると思われる。 また、本メチル化研究に関連して、本研究者は前立腺癌組織のみにDNAメチル化をきたす遺伝子としてCycloxygenase-2(COX-2)に注目している。この遺伝子の上流域のメチル化は胃癌を始め様々な癌組織中に認められていることが報告されている。本研究者は前立腺癌細胞株LNCaP,DU145,PC3においてCOX-2遺伝子の発現制御領域のCpGislandにおいてBisulfite Sequence法、COBRA法にてメチル化の解析を施行した。その結果、上記3種の前立腺癌細胞株において高頻度のメチル化を確認した。この現象はCOX-2遺伝子が前立腺癌組織中においてメチル化により発現が制御され、なんらかの働きを役割を担っていることが考えられる。 今後もMCA/RDA法による前立腺癌組織のみにメチル化を伴う遺伝子の同定を進めていくことに平行して、前立腺癌組織中におけるCOX-2遺伝子のメチル化について解析を進めていく方針である。
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