2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791124
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 賢士 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (50336228)
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Keywords | コレステロール / アイソザイム |
Research Abstract |
腎細胞癌は、細胞内にコレステロールの脂肪酸エステルであるコレステロールエステル(CE)が蓄積していることが知られている。CE蓄積が亢進する原因の1つとしてACyl-coenzyme A: cholesterol acyltransferase(ACAT)の活性の上昇が挙げられる。腎癌の発生母地である尿細管上皮はACAT抗体染色性を呈することが明らかとなっている。そこで、本研究では腎癌のコレステロール蓄積機構を明らかにすることを目標とし、特にACAT発現に注目する。第2段階として、明らかになったコレステロール代謝の特性に注目し、その制御機構を解明することを目的とした。昨年度の研究から腎細胞癌におけるACAT活性が亢進していることが明らかとなった。その成果をふまえ、今年度は更に症例数を増やして、ACATの2つのアイソザイム、すなわちACAT-1と2の発現を、ヒトACAT特異抗体を用いた免疫組織学的手法およびImmunoblot法にて定性的、定量的に検討した。更に、癌の生物学的悪性度および臨床的悪性度とACAT発現亢進との関連を統計学的に検討した。その結果、免疫組織学的検討、免疫生化学的検討から、腎細胞癌では正常腎に比較してACAT-1の有意な発現の上昇を認めた。ACAT-2は腎細胞癌、正常腎どちらでも発現を認めなかった。更に、ACAT活性とACAT-1の発現は癌の生物学的悪性度と有意な相関を認めた。以上の成果はKenshi Matsumoto, et. al. International Journal of Urology, 15, 166-70,2008に発表した。
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Research Products
(1 results)