2006 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石のオステオポンチン一塩基多型(SNP)の機能解析と遺伝子診断法の開発
Project/Area Number |
18791132
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (40326153)
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Keywords | 遺伝子診断 / 塩基多型 / オステオポンチン |
Research Abstract |
尿路結石の形成には環境要因の他に遺伝要因もあると推察される。平成18年度、本研究では尿路結石マトリックスの一つであるオステオポンチン(OPN)の一塩基多型(Single nucleotidepolymorphism: SNPs)を調べ、結石患者と健常者のゲノム遺伝子を解析した。さらに結石患者に特異的なSNPsを同定し得たことから、それらのSNPsが結石形成に関わっているかを、腎尿細管培養細胞を用い、蓚酸および蓚酸カルシウム結晶を添加した際のプロモーター活性を調べた。 本研究に同意が得られたカルシウム結石患者126名と結石既往のない健常者214名を対象とした。血液よりゲノムDNAを抽出し、OPN遺伝子の全てのDNA配列を決定した。次いでSNPsを調べたところ61カ所あったが、その中で結石患者に特異的であった4つのhaplotype taggingSNPs(htSNPs)を解析した。4つのhtSNPsが結石患者および健常者に特異的なハプロタイプであると同定した。結石患者と健常者の遺伝子型を比較すると、ハプロタイプ(G-T-T-G)は結石患者に多く(p=0.0227 0dds比1.676)、ハブロタイプ(T-G-T-G)は健常者に多く(p=0.016 odds比0.351)みられた。 それぞれのhtSNPsについて、-1807bpから1056bp領域をプラスミドpGL3に組み込み、NRK-52E細胞(ラット腎尿細管由来)にコントロールプラスミドとともにco-transfectionしたのち、蓚酸(1mM)および蓚酸カルシウム一水和物(COM)結晶(500μg/ml)を添加し、Luciferase assayにて経時的にプロモーター活性を検討した。蓚酸およびCOM結晶の刺激により、OPNプロモータ一活性は経時的に上昇し、24時間後にピークに達した。ハプロタイブ(T-G-T-G)はハプロタイブ(G-T-T-G)と比較して、蓚酸およびCOM結晶刺激による、OPNブロモーター活性が有意に上昇していた(p<0.001)。
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Research Products
(1 results)