2006 Fiscal Year Annual Research Report
表在性膀胱癌における全Genome領域のAllelotypingとホモ欠失の解析
Project/Area Number |
18791133
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
千原 良友 奈良県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40405395)
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Keywords | 表在性膀胱癌 / マッピング解析 / 染色体欠失 / ホモ欠失 / DNAチップ |
Research Abstract |
1.方法 病理組織学的にTaと診断された膀胱移行上皮癌32例(異型度G1:11,G2:15,G3:6)を対象に、101箇所のShort tandem repeat marker (STR)を用いて全染色体領域のallelic imbalance (AI)をマッピング解析し、この中から無作為抽出した15例についてはGeneChip (Affymetrix社)を用いて約11000箇所のSNPによるAI解析を行い比較検討した。 2.結果 STR解析では全症例中30%以上の頻度でAIが認められた領域は9p、9q、17p、1qであった。異型度とFAL index (Fractional allelic loss)は正の相関を認め、G3症例では6qのAIが高頻度に認められた。無病再発率と異型度には有意な相関を認めなかったが、FAL index<7%の症例は有意に予後良好であった。GeneChip解析との比較では88%のlocusでAIが一致したが、5q34、8q22 11p15、11p14、18q21、10p15に広範なAIを有する症例が認められ、これらはSTR解析では判定し得なかった領域であった。またGeneChip解析の結果よりホモ欠失を生じている候補領域の一つとしてp16遺伝子の位置する9p21.3が挙げられた。 3.まとめ GeneChipとSTRを併用することで、より解像度の高いAI解析結果が得られた。Ta表在性膀胱癌における全染色体領域のAIは異型度および予後と関連しており、悪性進展する腫瘍を判別する一助となる可能性が示唆された。今後GeneChip解析において、両alleleのコピー数測定を行い、ホモ欠失候補領域を同定していく予定である。
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