2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791136
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
内藤 宗和 Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (10384984)
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Keywords | 精巣 / 精子形成 / 重金属 / 精巣血液関門 / 自己免疫 / 炎症 / マウス / 毒性 |
Research Abstract |
前年度、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)と塩化カドミウム(CdCl2)を雄マウスに投与し、精子形成障害は惹起されないが精巣一血液関門の微小構造変化が起こる用量を報告した。今回、光学顕微鏡で精子形成障害が観察されない用量であるDEHP(0.1%DEHP食餌)とCdCl_2(3mg/kg腹腔内投与)を雄マウスに投与し、精巣の免疫環境に与える影響を調べた。DEHP投与群は1週間後、2週間後に、CdCl_2投与群は12時間、72時間後にそれぞれ屠殺し、取り出した精巣の微細構造変化を免疫組織化学法{Horseradish peroxidase (HRP)、Immunoglobulin G (IgG)、過酸化脂質染色}、サイトカイン動態をReal-timePCR法を用いて調べた。その結果、CdCl_2投与群ではHRPやIgGが精細管の基底膜を越えて上皮細胞または上皮細胞間に流入する像が見られたが、DEHP群では見られなかった。過酸化脂質染色ではDEHP群で陽性反応が見られるものの、CdCl_2群では見られなかった。また、Real-timePCR法では両群でIL-6のみが優位に上昇した。これらの結果から、環境毒性物質は精子形成障害が観察されない容量においても精巣の免疫環境に影響を与えることが分かった。
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