2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規血管新生阻害因子Vasohibinの子宮内膜癌における臨床応用の検討
Project/Area Number |
18791141
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉永 浩介 Tohoku University, 病院, 助教 (40343058)
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Keywords | vasohibin / 子宮内膜癌 / 血管新生 / VEGF / VEGFR-2 / 血管密度 / リンパ管密度 |
Research Abstract |
我々の研究目的は正常子宮内膜、子宮内膜癌および子宮内膜症におけるVasohibin分子(VasohibinおとびVasohibin II)の存在意義を明らかにすることであった。正常子宮内膜増殖期を6例・分泌期6例と類内膜腺癌高分化型27例・中分化型25例・低分化型26例に関して間質の血管密度・リンパ管密度・VEGFレセプターIIの発現頻度・Vasohibinの発現頻度を解析したところ、有意差をもって正常内膜間質よりも類内膜腺癌の間質で高く、かつ低分化なほど血管密度は高くなっていた。リンパ管密度では有意差をもって正常内膜間質よりも類内膜腺癌の間質で高く、かつ高分化型よりも低分化型で高くなっていた。Vasohibinの間質での発現頻度は増殖期よりも有意差をもって分泌期、類内膜腺癌で高くかつ高分化型よりも低分化型で発現頻度が高くなっていた。VEGFレセプターIIの発現頻度は増殖期よりも有意差をもって分泌期、類内膜腺癌で高くかつ低分化なほど発現頻度が高くなっていた。またVasohibinとレセプターIIの発現は有意に正の相関を示した。結果として正常内膜・分化度との比較において類内膜腺癌では低分化になるほど血管新生増殖に向かっていることが客観的に明らかになり、類内膜腺癌においてVasohibinを用いた血管新生阻害治療が有効である可能性を示した。このことは論文発表しており今後は血漿中のVasohibinのELISI測定を行い、類内膜癌の腫瘍マーカーとしての可能性を検討し、将来的にはvasohibinを用いて本邦オリジナルの血管新生阻害薬の開発につなげていきたい。
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Research Products
(2 results)