2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791146
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高倉 正博 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (20313661)
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Keywords | 卵巣癌 / 遺伝子治療 / アデノウイルス / テロメレース |
Research Abstract |
hTERTプロモーターをアデノウイルス5型E1遺伝子上流に組み込み、テロメレース陽性細胞でのみ増殖可能なアデノウイルス(tumor- or telomerase-specific replication-component adenovirus ; TRAD)を作成した。またウイルス局在を可視化するためにGFPを発現する組換え体TRAD-GFPも作成した。 卵巣癌細胞株SKOV3を用いてin vitroでの抗腫瘍効果を抗癌剤との併用効果も含めて検討するとともに、ヌードマウスに107個のSKOV3細胞を腹腔内投与して作成した腹膜播種モデルでも同様の検討を行った。また抗癌剤耐性株を樹立し、これらにおけるTRADの効果も確認した。 in vitroではTRADの増殖はテロメレース陽性の癌細胞株でのみ認められた。殺細胞効果も同様であり、この効果はシスプラチン(4μM)との併用により増強した。ヌードマウス腹膜播種モデルでは低濃度シスプラチン(0.5mg/kg)処理単独では効果がなかったが、TRADとの併用により約80%の播種性病変の減少が認められた(Pく0.001)また生存率の向上も認められた(P<0.05)。この際、TRADは播種病巣に局在し、明確な有害事象も認められなかった。またCDDP耐性株においてTRADの殺細胞効果に変化はなく、交差耐性は認められなかった。 hTERTプロモーター制御下に高度な癌特異性をもって増殖するアデノウイルスベクターを作成した。これはin vitro, in vivoにおいて卵巣癌細胞に対する抗癌剤との併用効果および正常組織への安全性を示したが、交差耐性は示さず、近い将来の臨床応用の可能性が示された。
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