2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌のプロゲステロンによる増殖抑制機序の解析:特に癌抑制遺伝子p27の関与
Project/Area Number |
18791149
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮本 強 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (70418721)
|
Keywords | 子宮体癌 / プロゲステロン / p27 / Skp2 / NCoR / 正常子宮内膜腺上皮 |
Research Abstract |
我々は子宮内膜癌細胞のプロゲステロン(P4)による増殖抑制において、癌抑制遺伝子産物p27の発現が重要であることを見出したが、今回我々はp27の発現調節機構をin vitroで検討した。まず、培養正常子宮内膜腺上皮(NE)細胞にP4を添加したところ、濃度依存性にp27の発現増強とp27分解に関与するユビキチンリガーゼであるSkp2発現の低下が観察された。この変化はプロゲステロン受容体(PR)阻害剤であるRU486の添加によって抑制された。またNE細胞にSkp2 antisense-oligo DNAを導入したところ、Skp2蛋白発現低下とp27蛋白発現増強が認められた。これらの結果からNE細胞においてP4はPRを介してSkp2発現を低下させることによって、p27発現を増強させていると考えられた。一方、PR陽性の子宮内膜癌Ishikawa細胞にP4を添加したところ、Skp2発現の低下は観察されたがp27の発現増強は見られなかった。この一因としてIshikawa細胞におけるPR発現が弱いことが予想されたため、Ishikawa細胞にPRを導入した後P4を添加したが、Skp2発現の著明な低下は認めたもののp27発現増強は観察されなかった。従ってIshikawa細胞ではP4がPRを介してSkp2発現をコントロールしてはいるもの、正常内膜腺上皮と比較してp27蛋白発現量調節におけるSkp2-ユビキチンリガーゼ経路に対する依存性は低いことが予想された。同時にこの結果はIshikawa細胞においては正常内膜とは異なったp27蛋白調節系があることを示唆した。
|
Research Products
(5 results)