2007 Fiscal Year Annual Research Report
CRHとストレス誘導性関連ペプチドの妊娠初期絨毛外トロホブラスト浸潤能への関与
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18791154
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中林 幸士 Kobe University, 医学系研究科, 助教 (80362789)
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Keywords | CRH / EVT / VEGF |
Research Abstract |
本研究ではストレス関連ペプチドであるCRHならぴに2001年に発見されたStresscopin(SCP)が妊娠維持に与える影響を検討することを目的としている。CRHはその受容体であるCRHR1とCRHR2を刺激し、CRHは特にCRHR1を優位に刺激する。一方、SCPはCRHR2を選択的に刺激する。近年のCRHR1、CRHR2ノックアウトマウスの検討で、CRHR1は短時間の生体防御機能に関わり、CRHR2はCRHR1を介する過剰な反応を抑える機能を有することが解明されてきている。SCP、CRHR1、CRHR2の発現は、CRHと同様に脳などの中枢組織以外に末梢組織の心臓・胃・大腸・膵臓・卵巣・胎盤においてmRNAレベルでの発現が認められており、autocrine/paracrine調節因子としての役割が注目されている。そこで本研究では胎盤におけるCRH、SCPの機能解明を目的とし、CRHSCPが妊娠初期絨毛外トロホブラスト(EVT)のVEGF発現に及ぼす影響を解明することにより検討した。妊娠初期EVTにCRH,SCP,CRHR-1,-2が発現することをRT-PCR法とimmunoblot法で確認した。培養EVTでのCRH 10,30,100nM添加群では、濃度依存性にVEGF mRNA発現レベルを非添加群のコントロールに比して、72,62,48%に低下することを認添加群のコントロールに比して、65,61,31%に低下することを認めた。CRH 100nM添加し抑制されたVEGF mRNA発きくたレベルはantalarmine同時では回復を認めなかったが、antisauvagine-30同時添加では回復することを認めた。SCP 100nM添加し抑制されたVEGF mRNA発現レベルは、antisauvagine-30同時添加では回復することを認めた。以上の結果よりCRH、Stresscopinは、妊娠初期EVTに発現する蛋白であることが明らかとかり、また同時にそれら受容体(CRHR1,CRHR2)が妊娠初期EVTに発現することが明らかとなった。妊娠初期EVTでのVEGF mRNA発現に対してCRH、Stresscopinは抑制的に働くことを認めた。CRH、Stresscopinはオートクライン、パラクライン調節因子として、その受容体CRHR-2を介して、妊娠初期EVTでのVEGF発現を抑制することで胎盤形成に関わる血管新生を阻害し妊娠維持に対して抑制的働くことが示唆された。
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Research Products
(1 results)