2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791155
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
光成 匡博 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (60343282)
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Keywords | 抗菌ペプチド / デフェンシン / LPS / NF-κB / MAP kinase |
Research Abstract |
【目的】胎盤絨毛および卵膜は子宮内への細菌侵入に対する最後の防御部位であり、単なる物理的なバリアとしての働きのみではなく、それ以外の細菌侵入防御メカニズムが存在すると考えられている。本研究では、抗菌ペプチドであるデフェンシンの中で炎症メディエーターにより誘導されるヒトβデフェンシン(hBD)-2おタびhBD73の胎盤絨毛および卵膜における役割を検討する。 【方法】絨毛膜羊膜炎に起因する早産症例および正常分娩症例の胎盤ならびに卵膜組織において、免疫組織染色によりhBD-2およびhBD-3の局在を調べた。同意の得られた正期産帝王切開分娩症例の胎盤絨毛を組織培養しLPS添加後のhBD-2およびhBD-3タンパク誘導能をWestern blottingで調べた。また、LPS添加後の細胞内シグナルNF-κB (IκB)およびMAPK (ERK1/2、p38MAPK、JNK)の活性化をWestern blottingで検討した。 【成績】hBD-2およびhBD-3の発現は、胎盤ではsyncytiotrophoblastに、卵膜では羊膜上皮細胞、絨毛膜細胞、脱落膜細胞にみられた。hBD-2発現は早産症例でやや強い印象を受けたが有意な差ではなかった。LPS添加は胎盤絨毛のhBD-2産生を濃度依存性に増加し、また、IκBおよびERK1/2、p38MAPK、JNKを活性化した。 【結論】胎盤絨毛においてhBD-2は炎症メディエーターにより誘導されており、細菌侵入防御に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)