2007 Fiscal Year Annual Research Report
GnRH神経細胞におけるエストロゲン・プロゲステロン調節遺伝子の解析
Project/Area Number |
18791166
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
吉田 浩 Yokohama City University, 附属市民総合医療センター, 助教 (50405007)
|
Keywords | 生殖医学 |
Research Abstract |
マイクロアレイ法にて選別したGT1細胞におけるエストラジオール,プロゲステロン調節遺伝子群を一つひとつPubmedにて検索し,興味深い遺伝子としてNO synthetase 3(NOS3)に注目した。本遺伝子は,マイクロアレイ法によりGT1細胞においてエストロゲン存在下で有意に増加し,プロゲステロン存在下で減少する結果が得られた。NOはこれまでGnRH神経細胞において興奮作用を呈し,特にエストロゲンのポジティブフィードバックがかかるLHサージの時期に一致してその視床下部濃度が高まることが報告されており,LHサージ機構に重要な役割をはたしている可能性が示唆される。 まず,性ステロイドによるGT1細胞においてのNOS3発現調節をreal time PCR法を用いて検討した。NOS3遺伝子はエストロゲン存在下でおよそ1.5〜2.1倍に増加した。一方,予想に反してプロゲステロン存在下ではその発現量に変化が見られなかった。現在本実験をノーザンプロット法も用いて,経時間的変化,プロゲステロン濃度,エストロゲン・プロゲステロン共存在下でのNOS3発現量について再検討中である。 さらに,NOS3遺伝子特異的にノックダウンさせるsiRNAを3種デザインし,目的遺伝子のノックダウン効率を直接GT1細胞へ遺伝子導入することにより検定した。この中でもっとも低濃度でNOS3発現を抑えられたsiRNAはほぼ100%のNOS3蛋白発現抑制が見られた。これを元に,GT1細胞内でsiRNA発現を導入する組み替えアデノウイルス作成を開始した。あらかじめ他施設より入手したコントロール実験用アデノウイルスではGT1細胞のGnRH分泌に影響は見られなかったのに対し,新規作成したNOS3 siRNA発現アデノウイルスは低MOIにおいても細胞毒性が強いことがわかった。細胞毒性により,予定していた還流実験はおこなえないでいるが,現在static culture studyを行い,NOS3 siRNA発現アデノウイルスのGT1細胞のGnRH分泌における効果を検討中である。
|
Research Products
(1 results)