2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791168
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
竹井 裕二 Jichi Medical University, 医学部, 助教 (00398520)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 婦人科 / リンパ管新生抑制 / ウイルスベクター |
Research Abstract |
我々は、予後不良とされる婦人科進行癌に対して、腫瘍血管新生を標的とした遺伝子治療の基礎研究を進行してきた。前半の2年間は卵巣癌をターゲットとした研究を行ったが、今年度は子宮体癌をターゲットとした研究を展開した。子宮体癌も卵巣癌同様、進行癌では治療に難渋するケースが多く、新たな治療戦略が待たれているのが現状である。 本年度は以下の成果が得られた。 1、子宮体癌モデルマウスの作製 子宮体癌細胞株HEC-1Aを用いて、子宮体癌の主な進展形式である、リンパ節転移、腹膜播種、肺転移、各々のモデルマウスを作製することに成功した。 2、sFlt-4発現アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)の作製 今年度は、腫瘍血管新生ではなく腫瘍リンパ管新生を標的にする研究も展開した。その目的を果たすため、リンパ管新生因子であるVEGF-Cの受容体Flt-4の可溶型で、リンパ管新生抑制作用を有するsFlt-4に着目し、それを発現するAAVベクター(AAV-sFlt-4)を作製した。 3、AAV-sFlt-4の効果の検討 AAV-sFlt-4をヌードマウス骨格筋に注射し、子宮体癌の各種モデルマウスに対する治療効果を検討した。その結果、コントロールマウスと比較し、リンパ管転移数の抑制、肺転移数の抑制が認められた。これは、子宮体癌に対する、将来の遺伝子治療の可能性を示唆するものである。
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Research Products
(1 results)