2006 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠子宮脱落膜NKT細胞が認識する糖・リン脂質抗原の同定
Project/Area Number |
18791170
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 元晴 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50406443)
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Keywords | 妊娠 / 脱落膜 / NKT細胞 / CD1 |
Research Abstract |
子宮内感染等を伴わない人工妊娠中絶患者(妊娠14-21週)7例を対象に、患者の同意を得た上で、中絶処理前に採血を行った。さらに中絶処置後の検体より胎盤組織の一部と脱落膜組織を採取した。また、採取脱落膜よりリンパ球を分離し、これを抗CD3抗体、抗CD56抗体、および抗CD161抗体にて多重染色を行い、CD3(+)CD56(+)CDI61(+)、CD3(+)CD56(+)CD161(-)、CD3(+)CD56(-)CD161(+)NKT細胞の頻度をフローサイトメトリーにて解析した。その結果、脱落膜にはCD3(+)CD56(-)CD161(+)NKT細胞が末梢血に比較し、高頻度に存在することが明らかとなった。さらに、αβTCR陽性CD161陽性の細胞集団を高速自動セルソーターを用いて精製分離し、PHA刺激することにより短期間培養の細胞株を樹立した。樹立された細胞株を抗CD3、抗CD28抗体で刺激し、これにより産生されるTh1/2サイトカインのバランスを評価したところ、IL-5/IFNγ産生比の高いTh2傾向を示すことが明らかとなった。これらの細胞株のcDNAに対しては、TCRVα鎖ファミリー特異的なprimerを用いてRT-PCR法により各遺伝子の発現を評価した。その結果、これらの細胞集団が多様なTCRVα鎖を発現するnon-invariantNKT細胞であることが明らかとなった。現在、CD1a-,CD1b-,CD1c-,CD1d-,mockの各遺伝子を安定に発現する細胞株(C1R、HeLa、BeWo)を樹立中であり、樹立後はこれを用いてnon-invariant NKT細胞が抗原を認識する際のCD1拘束分子を決定する予定である。
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