2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン加水分解酵素のマウス卵発生過程での発現と機能の検討
Project/Area Number |
18791171
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
水澤 友利 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10348716)
|
Keywords | マウス / 卵子 / ユビキチン / 受精 |
Research Abstract |
マウス卵子に発現しているユビキチン加水分解酵素UCH-L1(ubiquitin carboxyl-terminal hydrolase isozyme L1)の減数分裂への関与などを含め実験を行った。1.(UCH-L1のマウス卵子における発現)マウス未受精卵200個からの抽出タンパク溶液を二次元泳動した結果、クマシー染色レベルで86の明瞭なスポットが確認できた。この中で、12のスポットが飛行型質量分析計にて同定され、等電点4.9、分子量29.85のスポットは、N末端アミノ酸配列解析と一致してUCH-L1と推定された。さらにマウス卵子total RNAに対しRT-nested PCRを施行した結果、UCH-L1mRNA発現が確認された。2.(卵巣内局在と着床前期胚における発現)抗UCH-L1ポリクローナル抗体を用いマウス卵巣の免疫組織化学染色を施行したところ、一次卵胞からグラーフ卵胞までのすべての卵子に特異的な反応を認めた。さらに受精後の着床前期胚では、UCH-L1は桑実胚まででは多量に発現しているが、胚盤胞期以降その発現量が低下する傾向が見られた。3.(マウス卵におけるUCH-L1の生物学的意義) UCH-L1アンチセンスオリゴをマウスGv期卵細胞質内に注入し、その後の卵の減数分裂の再開を解析した。アンチセンス注入群ではコントロール群と比較し、減数分裂が進行する傾向があった。結論として、UCHL1が卵母細胞に多量に発現し、減数分裂に関与していることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)