2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア依存性アポトーシスにおけるStAMP遺伝子の発現と制御機構の解明
Project/Area Number |
18791172
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
樋口 隆幸 Keio University, 医学部, 助教 (30365332)
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Keywords | マウス / ミトコンドリア蛋白 / ステロイド産生臓器 |
Research Abstract |
【目的】OSAPは,胎盤を除くステロイド産生組織(副腎皮質・卵巣・精巣)に発現を認める酸性ミトコンドリア蛋白である.昨年,0SAP発現抑制によりステロイド産生の低下やミトコンドリアの形態変化を示し, OSAPがミトコンドリアのステロイド産生環境の維持に関与している可能性を報告した.今回は,OSAP発現抑制がミトコンドリア恒常性維持機能に与える影響を検討した. 【方法】マウス副腎皮質腫瘍由来のY1細胞株を用いて,OSAP-siRNAの導入によりOSAPの発現抑制を行い,ミトコンドリア内膜電位(AΦm)の変化を、感受性蛍光プローブJC-1を用いたflow cytometryによりnegative control導入群および未導入群と比較した.また, OSAPの発現抑制によるcell viability をMTS assayにより解析した.発現抑制後のミトコンドリアの量的変化について,核DNAに対するミトコンドリアDNA(mtDNA)のコピー数の相対比で検討した.さらに, OSAP-siRNAを導入したY1細胞をミトコンドリア分画と細胞質分画に分離し,各分画におけるcytochrome Cの蛋白発現をwestern blotにより検討した. 【成績】flow cytometryにおいて, OSAP発現抑制によりJC-1赤蛍光を呈する細胞の割合が緑蛍光へ約10%シフトし,Δφmの減少傾向が示された.0SAPの発現抑制によりcell viability に有意な変化を認めなかったが, mtDNAの減少と細胞質分画においてcytochrome Cの漏出が認められた. 【結論】OSAPは,ミトコンドリア外膜のintegrity保持や内膜電位の維持を介して,ミトコンドリア恒常性維持機能に寄与している可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)