2006 Fiscal Year Annual Research Report
内耳発生におけるSIX1遺伝子とSLC26A4遺伝子の相互作用
Project/Area Number |
18791193
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
高橋 正時 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (80401355)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 難聴 / マウス |
Research Abstract |
研究の目的は、前庭水管拡大症の原因として知られているSLC26A4遺伝子とSIX1遺伝子の関連を調べることにより、前庭水管拡大症発症の詳細なメカニズムを究明することにある。このために、SIX1遺伝子とSLC24A遺伝子の相互作用についてノックアウトマウスを用いて内耳での発現を中心に聴覚の評価と免疫学的考察および内耳形態学的考察を試みる。まず、類似したphenotypeを呈するSIX1遺伝子とSLC26A4遺伝子間のprotein-protein interactionの存在を確認する。その際、どちらの遺伝子がより上流から他方の遺伝子の発現を制御しているかを検討する。 〓年度(〜平成19年3月31日)の研究実施計画は、SIX1遺伝子のノックアウトマウスにおいて、SLC26A4遺伝子によって発現する蛋白であるPendrinの発現を、免疫染色法により走査型共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察する。同様に、SLC26A4遺伝子のノックアウトマウスにおいて、Six1の発現を観察する。Pendrinに対する抗体でwild typeのマウスで過去の報告(Royauxら、JARO 2003)の追試を行う。すなわち、蝸牛のコルチ器外側部位、内リンパ管、内リンパ嚢のsurface preparationで、Pendrinの発現を確認する。Six1に対する抗体も使用し同様に発現を観察する。また、コントロールとしてPrestinを用いた。Prestinは蝸牛内の有毛細胞に発現し非症候群性遺伝性難聴の原因蛋白と考えられている蛋白である。免疫染色法により走査型共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した結果、Prestinの染色は確認できたものの、Pendrinの明らかな染色は確認できなかった。原因として、1次抗体の質が考えられ、今後はすでに内耳〓染色が確認されている米国立衛生研究所聴覚部門で作成した抗Pendrin抗体の譲渡を受けることを予定し、染色を確認する。また、Six1に関しても同様に染色を行う予定である。
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