2006 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーキャプチャー・ダイセクションを用いた内耳感覚細胞のアールエヌエー解析
Project/Area Number |
18791194
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古宇田 寛子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80334423)
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Keywords | ヒト側頭骨 / 難聴遺伝子解析 / RNA / TaqMan PCR / 凍結標本 |
Research Abstract |
難聴の分子病態を解明するために、ヒト内耳を構成する細胞から、DNA、 RNAを抽出・解析する手法を開発している。すでに、ホルマリン固定セロイジン包埋ヒト側頭骨標本からは、レーザーキャプチャー・ダイセクションにて、蝸牛有毛細胞、血管条、ラセン神経節細胞それぞれからDNAを抽出・定量解析して、細胞病理所見との相関を検討した。さらに、ヒト内耳組織からのRNA抽出は、ヒト側頭骨を病理解剖時に採取・凍結保存し、RNA later溶液中にて骨迷路を削り、蝸牛・前庭の膜迷路を採取して、RNAを抽出した。本法は我々が独自に開発した手法であり、その詳細を原著として、Acta Otolaryngologicaに掲載予定である。この手法を用いて、老人性難聴の分子病態の一因を解析中である。老人性難聴は、様々な原因が想定されているが、病理組織変化が見られない症例が知られている。我々は、この原因として、ラセン靱帯やラセン板のタンパク組成の変化による振動特性の変化やK^+イオンのリサイクルリングの阻害物質の沈着などを予測している。そこで、ラセン靭帯に多く発現する遺伝性難聴遺伝子(COCH, GJB2,COLなど)を主なターゲットとし、TaqMan PCR法による定量的RT-PCR法を用い、データを解析中である。また、膜迷路全体でなく、レーザーキャプチャー・ダイセクションにて個別に採取する内耳細胞の解析を予定している。
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