2006 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚神経回路の神経可塑性制御機構における細胞外マトリックスBral2の役割
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18791206
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
別宮 洋子 岡山大学, 医学部, 技術職員 (60397875)
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Keywords | 神経細胞周囲網 / リンクプロテイン / プロテオグリカン / 聴覚伝導路 |
Research Abstract |
1)Bral2/Hapln4発現神経細胞の神経サブセットの探索 Bral2/Hapln4を発現している神経細胞と神経伝達物質に相関があるかどうかを探索した。 Bral2/Hapln4改変マウスは、その改変ストラテジーとして発現細胞の神経軸索が可視化できるようレポーター遺伝子としてtau-lacZを同時発現するよう組み込んである。また、神経細胞周囲網(PNN)は、抑制性神経に見られることが多い。従って、Bral2/Hapln4のヘテロマウスの脳において、X-gal染色とGABA及びグリシンの神経伝達物質を免疫組織染色することで、聴覚伝導路におけるBral2/Hapln4発現細胞の性質を探った。従来、GABA陽性細胞にPNNが見られることが多いが、今回Bral2/Hapln4発現細胞は、GABA陽性細胞も一部見られるものの、圧倒的にグリシン作動性神経に多く見られることが分かった. 2)Bral2/Hapln4改変マウスにおけるプロテオグリカンへの影響 Bral2/Hapln4を欠損することで、会合体を形成すると考えられるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンであるブレビカンがPNNに存在し得るかどうかを免疫組織学的手法によって解析した。その結果、ブレビカンはBral2/Hapln4発現がみられるほぼ全ての神経核でdiffuseになり、PNNパターンが破壊されていることが分かった。また、同時にその他PNNに存在するアグリカン、テネイシン-Rなどに関しても解析した。その結果、聴覚伝導路に存在する神経核を中心に発現パターンに異常が見られた。また、他のLP分子による補償がおこっているかどうかの検討のため、脳におけるCrtl1/Hapln1を市販の抗体でいくつもの条件で染色を試みたものの認識することが出来なかった。従って、新たな特異抗体を作成した。来年度は、その抗体を用いて解析を試みる予定である。
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Research Products
(1 results)