2007 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部扁平上皮癌におけるCOX-2発現と発癌におけるPGE2合成経路の関与
Project/Area Number |
18791211
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
後藤 理恵子 Kagawa University, 医学部, 助教 (20304602)
|
Keywords | COX-2 / PGE2 receptor / carcinogenesis |
Research Abstract |
臨床的な検討として下咽頭癌症例75例でのCOX-2発現を検討した結果、73例(97.3%)でCOX-2の発現を認め、また異形成部分の58.6%でもCOX-2の発現を認めた。すなわちCOX-2の過剰発現は発癌の過程に何らかの関与をしていると推察され、COX-2の経路の阻害が癌化を予防できる可能性が示唆された。PGE2が合成される過程でのCOX-2の制御、また合成されたあとのPGE2が作用する際のレセプターレベルでの制御によって発癌や癌の増殖を抑制できる可能性があり、今後はPGE2レセプターの発現やレセプターレベルでの阻害による癌抑制効果を中心に検討する予定である。PGE2レセプターに関してはEP1-4の4種類のサブタイプがあることが知られており、昨年の検討で、生検あるいは手術で得られた組織11例(舌)を用いて同様に検討すると、EP1で4/11、EP2で5/11、EP3で10/11, EP4では11例全例でmRNAの発現を認めた。Realtime PCRではEP3, 4でがん細胞での発現が増加している傾向を認めた。また口腔癌由来の培養細胞においては、いずれの細胞でもEP4 receptorの発現は認めたが、EP3では発現の程度に差を認め、EP1, 2は細胞によっては明らかな発現を認めないものがあった。癌細胞におけるPGE2レセプターの発現は組織により様々な報告があり、頭頚部癌における詳細な検討は少ない。また、いずれのレセプターが癌の増殖に関与しているかも不明である。昨年の検討により生検材料ならびに培養細胞にてEP3, 4レセプターの発現が主に認められたため、今後はEP3,4レセプターの拮抗剤(antagonist)による細胞増殖の抑制効果を検討する。また、COX阻害剤とPGE2 reseptor阻害剤の組み合わせにより、相乗効果があるかどうか検討する。
|
Research Products
(1 results)