2008 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌におけるEGFR遺伝子変異のEGFR阻害剤感受性への影響についての研究
Project/Area Number |
18791223
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田口 享秀 Yokohama City University, 医学部, 助教 (60315786)
|
Keywords | 頭頸部癌 / EGFR / 遺伝子変異 / gefitinib / 遺伝子コピー数 |
Research Abstract |
これまでの研究において、頭頸部癌培養細胞16細胞中9細胞(56.3%)と高頻度にexon 20でのsingle nucleotide polvmorphism(SNP)を認め、これはNational Center for Biotechnology Information(NCBI)SNPデータベースにrs1050171として登録されている。このSNPはsilent mutationであり蛋白質の一次構造には変化を与えない同義SNP(synonymous SNP)(Q787Q)と考えられているが、今回の検討ではEGFRG/A遺伝子型群はEGFRG/G遺伝子型群に比べて高いgefitinib感受性を示した。但し、頭頸部癌においてEGFRG/A遺伝子型がgefitinib感受性に影響する作用機序に関しては、EGFRの下流シグナル伝達経路であるRas-MAPK経路、STAT経路の検討からは明らかにすることができなかったものの、EGFR遺伝子コピー数、下流シグナル伝達におけるPI3K-AKT経路やabnormal splicingによる影響などの検討が考えられた. 非小細胞肺癌においてEGFR遺伝子のコピー数の高いものはgefitinibに対する感受性が高いことが報告され、EGFR遺伝子のコピー数の検討がgefitinib治療においては有用となる可能性も指摘されている。そこで頭頸部癌においてEGFRG/A遺伝子型がgefitinib感受性に影響する作用機序に関して、まずEGFRI遺伝子コピー数との関連性をFish法を用いて検討した。EGFR遺伝子コピー数とgefitinibに対する感受性においては相関性を認めなかったが、EGFRG/A遺伝子型群とEGFRG/G遺伝子型群との比較で有意差が認められた。検体数を増やしての更なる機序解明を行っている。
|