2007 Fiscal Year Annual Research Report
中咽頭扁平上皮癌に対する計画的頚部郭清術の意義に関する研究
Project/Area Number |
18791234
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
冨田 俊樹 Keio University, 医学部, 専任講師 (30276357)
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Keywords | 中咽頭癌 / ドセタキセル / 化学放射線療法 / planned neck dissection / 計画的部頸郭清術 |
Research Abstract |
頸部転移優位型の4期中咽頭癌に対しドセタキセル併用放射線療法および一部の症例にPlanned neck dissection(PND、計画的頸部郭清術)を施行した。治療成績と本治療法の役割を検討した。 方法:2001〜06年に慶礁病院で治療を行ったT1-3, N2-3, MOの4期中咽頭扁平上皮癌23例を対象とした。放射線治療は30回60 Gy、ドセタキセル点滴静注は10 mg/m2/週、計6回を目標とした。原発巣のCRを確認した症例の一部に対し放射線治療終了後6〜8週目にPNDを施行した。 結果:TN分類はT1が2例(9%);T2が11例(48%) ; T3が10例(43%)、N2が19例83%) ; N3が4例(17%)であった。平均観察期間は38ケ月であった。グレード3の粘膜炎は70%に、皮膚炎は30%に認められた。1例のみ原発巣がCRに至らなかった。PNDを施行した10例中4例(40.0%)は組織学的に癌細胞が残存していた。全23例の3年全生存率は82.6%、疾患特異的生存率は87.0%、原発制御率は87.0%、頸部制御率は78.3%であり、PND施行群と非施行群の間にいずれも有意差を認めなかった。 結論:本治療法はT1-3, N2-3の4期中咽頭癌に対し良好な成績を示した。全例にPNDを行う必要はないがPNDが頸部制御に寄与する可能性が高い。頸部転移優位型の4期中咽頭癌に対して少量化学放射線療法士計画的頸部郭清術という治療戦略は検討されるべきである。化学療法や射線療法を強化しても大きなメリットは得られないかもしれない。
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