2008 Fiscal Year Annual Research Report
真菌による好酸球性副鼻腔炎の発症とその病態解明に関する研究
Project/Area Number |
18791240
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松脇 由典 Jikei University School of Medicine, 医学部, 講師 (60287290)
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Keywords | 慢性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 / 真菌抗原 / スーパー抗原 / 好酸球 / アレルギー性真菌性副鼻腔炎 / 好酸球性副鼻腔炎 / 好中球 |
Research Abstract |
鼻副鼻腔炎における真菌抗原、黄色ブドウ球菌スーパー抗原による好酸球ならびに好中球炎症の検討をおこなった。研究背景 : 鼻副鼻腔粘膜に著明に好酸球が浸潤する原因して, 真菌抗原や黄色ブドウ球菌スーパ-抗原の関与が指摘されている。しかしこれら微生物はその定性的検査では、健常者と鼻副鼻腔炎患者に差がなく鼻副鼻腔内に存在する。目的 : 鼻副鼻腔内に存在する菌量あるいは菌由来抗原量に違いがあり鼻副鼻腔炎の病態に関与していると仮説し、鼻副鼻腔貯留物中の抗原量と好酸球および好中球炎症を比較検討する。方法ニアレルギー性鼻炎(コントロール)、慢性化膿性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎(ステロイドなし)、好酸球性副鼻腔炎(ステロイドあり)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎(AFRS)、副鼻腔真菌症に群分けし、術中採取した鼻汁中のEDN, Elastase, B-Dグルカン, Aspf1, Alta1, Aspartate protease, SEA, SEB量をELISAにて計測し比較検討した。結果 : EDNはAFRSにおいて有意に高値を示した。Elastaseは慢性副鼻腔炎群においてほとんど差がなく、アレルギー性鼻炎に比較し高い傾向を示した。慢性副鼻腔炎群はアレルギー性鼻炎に比較し有意にB-Dグルカンの上昇を認めた。Aspartate proteaseは、AFRSにおいて、Asp f1およびSEBは好酸球性副鼻腔炎において他群に比較し有意に高値を示し、EDNとの相関を認めた。考察 : 鼻副鼻腔炎において真菌や黄色ブドウ球菌由来抗原量に違いを認め、好酸球炎症の誘導に寄与している可能性が示唆された。
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