2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞の移植による蝸牛外側壁の機能的再構築に関する研究
Project/Area Number |
18791250
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
孫 廣い 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部聴覚障害研究室, 研究員 (40425773)
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Keywords | 蝸牛線維細胞 / 骨髄問葉系幹細胞 / 難聴 |
Research Abstract |
蝸牛線維細胞は難聴の発症、聴力の回復、および聴覚の維持に大きく関与していることが示されており、難聴治療には線維細胞の再生が重要である。当研究室は難聴モデルラットの蝸牛に骨髄間葉系幹細胞(骨髄MSC)の移植実験を行い、一部の幹細胞は傷害部位に生着し、聴力においても有意な回復が見られた。しかし、生着した移植細胞の性質と聴力回復のメカニズムは未だ不明である。本研究は蝸牛線維細胞および骨髄MSCの相互作用を解明することを目的とする。 C3H成熟マウスの蝸牛線維細胞と骨髄MSCを培養する。継代2回目の線維細胞と継代5回目のMSCから培養上清を回収し、培養したMSCと線維細胞に添加し、細胞の増殖・分化への影響を調べた。骨髄MSCのConditioned Medium(CM)の添加により、蝸牛線維細胞の増殖を促進し、蝸牛線維細胞の特異的マーカー(S-100、NKCC1)の発現を減少し、間葉系幹細胞のマーカー(Vimentin)陽性細胞を増加した。一方、蝸牛線維細胞培養上清は、骨髄MSCのNa-KATPase陽性細胞への分化を促進したことが確認された。この結果により、骨髄MSCと蝸牛線維細胞の間で分化と増殖への相互作用が示唆される。骨髄MSC移植による蝸牛の機能的な回復は、骨髄MSCから蝸牛線維細胞への分化による作用機序以外にも、骨髄MSCが蝸牛線維細胞の増殖を促進している可能性が考えられる。 今後、本相互作用の分子機構を解明することは、骨髄MSC移植による難聴治療の臨床応用に役立つものと考えられる。
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