2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト角膜輪部、結膜組織からの体性幹細胞の探索と評価
Project/Area Number |
18791262
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横尾 誠一 東京大学, 医学部附属病院, 客員教員 (20345052)
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Keywords | 組織幹細胞 / 角膜 / 結膜 / 無血清培養 / 幹細胞の分離 |
Research Abstract |
1.平成18年度計画の研究実績の概要 「角膜上皮幹細胞と結膜上皮幹細胞の採取と評価」 角膜輪部と結膜組織より得られた幹細胞様細胞の組織構築能と増殖能、再複製能を検討した結果一個の細胞より上皮組織が形成できるほどの強い組織形成能が存在することが判明した。また再複製能は2回まで確認できた。BrdUによる免疫染色法で陽性であり強い増殖能を保持していた。また、細胞の発現蛋白質を免疫染色法で確認したところ角膜組織由来の細胞コロニーは最終的に確認した限り元の組織由来である角膜上皮へと分化した。結膜も同様に最終的に結膜上皮細胞へと分化する。明確に機能する他細胞への分化能としては眼表面に存在するゴブレット細胞への分化も新たに判明した。よって本研究事業により成人角膜上皮幹細胞と結膜上皮幹細胞の単離に成功した。 2.平成18年度計画以外での新規な研究実績概要 「特異的マーカーの検出、マーカーを用いたprospective isolation」 平成19年度の計画ではあるが研究進捗が順調であるため遂行した。その結果、2種のマーカー候補を決定しEACSによる分離を試みた。結果、100万個の組織細胞より10個程度の幹細胞の採取に成功した。しかしながら、幹細胞の性質上現在存在する幹細胞分離機器、方法による採取効率上昇は見込めない。また既に幹細胞を培養方法の工夫により効率良く分離できていることから、ヒトのへの応用を考え特異的マーカーを用いた分離について再検討を行う予定である。 3.単離細胞の培養、大量培養法の検討、濃縮幹細胞を用いた角膜上皮シートの作製 当初、3T3細胞との共培養法を予定していたがヒトへ即座に使えることを視野にいれて完全無血清培養法へと変更した。結果、無血清培地にて単離細胞を組織まで構築することが可能となった。大量培養法には継代が難しいなどの問題点が残されており平成19年度中の解決を目指す。幹細胞の濃縮については幹細胞の特性が明らかになり採取時点での濃縮は可能となった。
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