2008 Fiscal Year Annual Research Report
目標眼圧の再評価と新しい視野解析プログラム及びインプラント手術の可能性について
Project/Area Number |
18791268
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石田 恭子 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (80334936)
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Keywords | インプラント手術 / 難知性緑内障 / 乳頭解析プログラム / 早期診断 / 神経保護 / ニプラジロール |
Research Abstract |
硝子体術後のシリコンオイル挿入眼に伴う緑内障は難知性で、現在日本で広く行われている緑内障手術である線維柱帯切除術が無効な例が多く治療に苦慮する。重症な網膜疾患を有するためシリコンオイルを温存したままインプラント手術を行った多数例と、シリコンオイルの存在しない難知性緑内障の多数症例に対して行ったインプラント手術成績を比較し検討した。両者とも、以前まで行われていた治療法と比較し良好な成績を得ることができたが、多変量解析からシリコンオイルの存在自体が予後不良であることを検出し論文にて報告した。 緑内障は不可逆的な視神経萎縮を引き起こすため、将来にわたる有効な視機能保持のためには早期発見、早期治療が望まれる。我々は、新しい視神経解析プログラムを開発する目的で、ステレオ撮影した視神経乳頭写真から得られた視神経乳頭陥凹をコンピュータ解析し、従来用いられているHRT(Heidelberg Retina Tomograph)と比較しな。その結果、両者は同程度の検出能力を示した。我々は、これを論文にて報告し、有効で新しい乳頭解析プログラム開発の可能性を示した。 現在科学的に検証されている緑内障治療は、眼圧下降のみである。そのため、治療に際し、目標眼圧を設定し、点眼薬や手術による眼圧下降を行う。しかしながら、緑内障の本体は視神経萎縮であり、視神経に直接保護的に働く薬物の開発が望まれる。我々は、マウスの視神経挫滅モデルを用い、緑内障治療薬の一つであるニプラジロールが、神経保護作用を有するか否か実験を行った。この結果、ニプラジロール投与群は、対照群と比較し有意に網膜神経節細胞の生存が多く、神経保護作用を有することを証明し論文で報告した。
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