2006 Fiscal Year Annual Research Report
自発蛍光を応用した黄斑疾患の病因の解明、診断ならびに治療への応用
Project/Area Number |
18791276
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沢 美喜 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50403043)
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Keywords | 眼底自発蛍光 / 黄斑疾患 / 加齢黄斑変性 / 網膜色素上皮 / リポフスチン |
Research Abstract |
眼底自発蛍光撮影装置として、580nmの励起波長と695nmのバリアーフィルター、488nmの励起波長の撮影フィルターを眼底カメラに組み込むことによって自発蛍光撮影装置を作成した。既存のレーザー走査型検眼鏡を用いて、波長488nmならびに790nmの自発蛍光撮影もおこなった。まず、580nmの励起波長による眼底カメラ型撮影装置を用いて、偽弾性黄色腫に合併した網膜色素線条例での眼底自発蛍光の特徴について検討した。網膜色素線条で脈絡膜新生血管を合併すると視力予後は不良である。その理由として、脈絡膜新生血管を生じると、周囲に広範な網膜色素上皮萎縮が生じ視力予後に影響すると考えられているが、網膜色素上皮萎縮を評価する従来の方法としてフルオレセイン蛍光眼底造影があるが、萎縮を判定する新たな方法として眼底自発蛍光撮影を用いて検討した。色素上皮萎縮・欠損は低蛍光を示し、低蛍光の形状からRPE ripと分葉状、境界不明瞭な広範囲の低蛍光に分類された。これらの網膜色素上皮萎縮・欠損は必ずしも脈絡膜新生血管と連続していなかった。偽弾性黄色腫は膜輸送蛋白に関連したABCC6遺伝子変異が報告されており、この遺伝子変異によって細胞外マトリックスの変性を生じて網膜色素上皮が容易に裂けやすい可能性が示唆された。加齢黄斑変性以外での脈絡膜新生血管を生じる疾患として、強度近視が挙げられる。強度近視で脈絡膜新生血管を発症すると、遅発性に周囲に萎縮性変化を生じ重篤な視力低下を生じる。この萎縮性変化の進展、ならびに強度近視における眼底自発蛍光の特徴について、レーザー走査型検眼鏡を用いて波長488nmで撮影し、特徴ある所見を見出すことができたため、論文を投稿した。
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Research Products
(6 results)