2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791285
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
越山 靖夫 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (40372784)
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Keywords | シグナル伝達 / 病理学 / 細胞・組織 / 薬理学 / 特殊環境 |
Research Abstract |
テノン嚢線維芽細胞の増殖に伴う結膜瘢痕化は緑内障に対する濾過手術の治療効果に大きな影響を与える病態であり、この瘢痕化を制御する因子の一つとしてfibroblast growth factor (FGF)シグナルが考えられている。したがって我々はまずFGFシグナル関連因子が結膜瘢痕化に与える影響をin vivoにおいて病理学的に解析し、その分子生物学的機序、特に複数あるFGFシグナル経路のうち結膜瘢痕化に関連している経路を特異的阻害剤を用いて明らかにすることを目的として、研究をおこなった。まず、ヒトの濾過手術で形成される濾過胞と類似した動物モデルの作成を試みた。ラットの結膜下に経強膜的前房内留置針を刺入したところ、長期間にわたって安定した濾過胞が形成された。今後、ラット濾過胞形成モデルを用いて、結膜瘢痕化がFGFシグナル経路に依存するか、また、その下流シグナルがRas/Mitogen-activated protein kinase (MAPK)経路、phosphoinositide3-kinase(PI3K)/Akt経路、JAK-2/STAT-3経路によるものか分子メカニズムを解析する予定である。また、FGFシグナルが重要な役割を有するマウス血管新生モデルを作成し、FGFシグナルに対して調節作用があると言われているヘパラン硫酸をマウスに過剰投与することにより、血管新生を抑制することができた。結膜瘢痕化には、結膜組織の血管再構築が密接に関わっており、今後さらに検証を進めていく。
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