2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791288
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山下 高明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70404514)
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Keywords | 薬剤反応性 / 細胞・組織 / 神経科学 |
Research Abstract |
臨床研究 硝子体内薬物投与による網膜障害の臨床研究として、トリアムシノロンの硝子体内投与による眼圧上昇と網膜、視神経障害について調査・報告した。トリアムシノロン硝子体内投与は黄斑浮腫、ぶどう膜炎に広く臨床応用されており、術後早期の眼圧上昇については多くの報告があるが、長期経過はいまだ十分解明されていない。トリアムシノロン硝子体内投与のよる眼圧上昇(ステロイド緑内障)について、短・長期的に調査したところ、用量依存性があるが、多くの症例では一過性であることが判明した。しかし、一部の症例で長期に眼圧上昇をきたし、緑内障点眼薬が必要となる場合がある。網膜には障害を認めないが、一過性の高度の眼圧上昇、長期の眼圧上昇により視神経に障害をきたす可能性があり、今後も継続して経過観察が必要である。 動物実験 トリアムシノロンの眼内での使用に関し、より詳しい知見を得るため、動物モデル作成を試みた。白色家兎の前房内と硝子体腔内に投与後、トノラボを用いて、1ヵ月間の眼圧変動について調査を行った。白色家兎ではトリアムシノロンによる眼圧上昇は認めなかった。 また、当教室内で研究中の、新しい硝子体可視化剤としてのポリ乳酸についても同様の調査を行った。白色家兎の前房内、硝子体腔内にポリ乳酸を投与後、眼圧について一ヶ月間の調査を行った。いずれの投与方法においても眼圧上昇は認めなかった。また、十分な硝子体可視化を得ることができ、臨床での硝子体手術を安全に行うために有効な薬剤であることが判明した。
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Research Products
(1 results)