2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791290
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中村 葉 京都府立医科大学, 附属病院, 専攻医 (40405303)
|
Keywords | 角膜酸素分圧 / コンタクトレンズ / オルソケラトロジー |
Research Abstract |
家兎を用いて角膜酸素分圧測定を試みた。酸素分圧測定装置InterMedical PO_2-100を用いて種々のコンタクトレンズ下の酸素分圧測定を行った。使用したコンタクトレンズ種は(1)シリコンハイドロゲルレンズ(O_2オプティクス【○!R】、Dk:175)、(2)ハードコンタクトレンズ(メニコンZ【○!R】、Dk:163)、(3)ハードコンタクトレンズ(PMMA製、Dk:0)、(4)ソフトコンタクトレンズ(ワンデーアキュビュー【○!R】、Dk/L:33.3)である。結果は、(1)120mmHg、(2)96mmHg、(3)20mmHg、(4)67mmHgであった。できるだけ酸素透過性の高いレンズを使用することは角膜内皮細胞への負担を少なくする意味で大切である。また、ソフトレンズの場合は生理食塩水を点眼しながら測定することにより酸素分圧が上昇するが、乾燥により酸素分圧は速やかに低下することが観察された。ヒトにおいてもソフトレンズ装用中は常に乾燥しないように保つことが必要であることが明らかとなった。 屈折矯正法のひとつとして、オルソケラトロジーという矯正のためにハードレンズを就寝時装用し昼間時は裸眼で過ごすという方法がある。レンズによる圧迫が強いため矯正効果を発揮する方法である反面内皮細胞への影響が懸念される。そこで家兎にオルソケラトロジーレンズを装用させ、瞼板縫合し48時間後にレンズ下の酸素分圧を測定した。対象は3.0〜3.1Kgの雄の家兎3羽である。使用したオルソレンズは家兎の角膜曲率半径を考慮して43.5または45.5Dのレンズである。48時間装用後の固着した角膜では平均47.5mmHg、通常の装用のみでは平均52mmHgであり、有意差は認めなかった。角膜に固着した状態であっても酸素透過性のハードコンタクトレンズの場合は酸素分圧の低下を認めない可能性が示唆された。今後は閉瞼状態での測定法についても検討する方針である
|