2006 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性モデルの作成と老化バイオマーカーの単離
Project/Area Number |
18791298
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今村 裕 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20276215)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 動物モデル / バイオマーカー |
Research Abstract |
加齢黄斑変性の動物モデルの開発 Imamura Y, Noda S, Hashizume K, Shinoda K, Yamaguchi M, Uchiyama S, Shimizu T, Mizushima Y, Shirasawa T, Tsubota K.Dnlsen, choroidal neovascularization, and RPE dysfunctionin mice deficient of SOD1: a model of age-related macular degeneration. Proc Natl Acad Sci USA 103:11282-11287,2006. 加齢黄斑変性は先進国の高齢者の失明原因の主因であり、進行した場合脈絡膜萎縮に陥り、有効な治療が限られている。本疾患は両眼に発症し、drusenや脈絡膜新生血管などの特徴的な眼底所見を呈する。これまで本疾患には酸化ストレスが関わっていることが示唆されていたが、いったいそれが原因なのかそれとも単に変性過程の付随現象として関与しているのかが不明であった。われわれは活性酸素の代表的なスカベンジャーである銅・亜鉛依存型superoxide dismutase欠損マウスに注目し、本マウスが加齢により眼底に加齢黄斑変性症様変化をきたすことを報告した。本マウスは年齢によりdrusenや脈絡膜新生血管、肥厚したブルッフ膜を呈する。また、強い光被爆によって病変の発生の1部を加速させ得ることも示され、網膜に対する光被爆のメカニズムを解析するためのモデルになりうると考えられる。さらに接着分子であり、転写因子として機能するベーターカテニンが本モデルの発症に関与することを示唆した。本研究は動物レベルで酸化ストレスがAMDの原因として関与することを示しており(Ratmer A, Nature Review Neuroscience,2006で紹介された)、またAMDの諸病変の多くを模倣する優れた動物モデルであることを証明した。
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Research Products
(8 results)