2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791302
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
吉田 悟 Tokyo Dental College, 歯学部, 客員講師 (50398781)
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Keywords | 角膜実質 / ケラトサイト / 体性幹細胞 / 神経堤幹細胞 / 人工角膜 / 角膜内皮 |
Research Abstract |
本研究は人工角膜作製を目指した人工角膜実質の構築を目的としている.生体組織に近いマテリアルの開発のためには組織本来の細胞を用いることが望ましく、恒常的に安定な細胞の供給のため、組織幹細胞の分離・培養法の確立が必要であった.先年の報告書にあるように、マウス角膜実質から角膜実質幹細胞(COPs)の分離・培養技術の確立に成功している.本年度は、人工角膜実質の構築を目的として、この細胞を用いた3次元培養の検討を行った.当初の計画にある、フィブリンゲルを用いた培養では、3次元の培養は困難であった。そこで、角膜実質本来の構成成分でもあるコラーゲンを用いた3次元培養を検討した。その結果、コラーゲンゲル中でのCOPsの良好な生育を認めた。免疫染色法によりマーカーの発現を調べたところ、ガレクチンなど本来の角膜実質で発現している細胞外基質の一部の発現は認められたが、もっとも角膜実質特異的なケラトカンの発現は失われていた。また発現している細胞外基質も細胞の周囲にとどまっており、全体に拡散して存在するところまで至っていない。今後、ケラトカンの発現を保ったまま3次元培養できる系を確立するためさらなる研究が必要である。実質細胞の性質を表すためには上皮からの誘導も重要である可能性を考え、現在、当研究室で既に作成法が確立している培養上皮シートとの共培養を行い、検討中ある。また、ヒト角膜実質からの幹細胞分離・培養法もほぼ確立した。現在はマーカーの発現を確認中で、一部のマーカーに関しては既に発現を確認できているが、発現が消失しているマーカーも一部あり、培養法に関してもさらなる検討・改良が必要であると考えられる。
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